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林 光二; 稲垣 嘉之; 加藤 道雄; 藤崎 勝夫*; 会田 秀樹; 武田 哲明; 西原 哲夫; 稲葉 良知; 大橋 弘史; 片西 昌司; et al.
JAERI-Tech 2005-032, 46 Pages, 2005/06
本書は、HTTR水素製造実規模単一反応管試験装置の平成13年度試験運転報告である。平成13年度は平成14年3月1日から3月13日の2週間に第1回試験運転を実施し、水蒸気改質器の熱流動に関する試験、並びに試験装置の運転訓練を行った。水蒸気改質器の熱流動に関する試験は、ヘリウムガスとプロセスガス間の伝熱特性を評価するものである。本報告では、試験の概要,結果、並びに運転記録についてまとめている。
榊 明裕*; 加藤 道雄; 林 光二; 藤崎 勝夫*; 会田 秀樹; 大橋 弘史; 高田 昌二; 清水 明; 森崎 徳浩; 前田 幸政; et al.
JAERI-Tech 2005-023, 72 Pages, 2005/04
水素製造システムと高温ガス炉の接続技術の確立のため、水蒸気改質法によるHTTR水素製造システム実規模単一反応管試験装置を平成13年度に製作し、同年度に機能試験運転を実施した。引き続き、平成13年度から16年度まで7回の試験運転を実施した。運転期間中に発生した不具合については、その都度、原因の究明,対策案による試験装置の改善を行い、試験を続行してきた。これにより、各種試験を行い、所定の目的を達成した。本報告は、平成13年から平成16年までに実施した試験装置の改善項目について記述したものである。
清水 明; 西原 哲夫; 森山 耕一*
JAERI-Tech 2004-051, 69 Pages, 2004/06
日本原子力研究所の高温工学試験研究炉(HTTR)は核熱利用技術開発のためメタンの水蒸気改質による水素製造システムを接続することを計画している。本システムではこれまでの原子炉設備と異なり、原子炉に近接して大量の可燃性物質を取扱うため、これらの存在を考慮した安全設計を行う必要がある。本報告では、可燃性ガス漏えいの発生頻度について確率論的手法を用いて評価した結果を述べる。可燃性ガスを内包する機器,配管を系統別に区分し、安全設計で定めた緊急遮断弁の設置,可燃性ガス二重管化等の火災・爆発対策を勘案して、漏えいの発生頻度を計算した。火災・爆発の確率は漏えい確率と着火確率の積となるが、着火確率の評価は非常に困難であるために安全側に1として検討を進めた。このため、火災・爆発が防止できる安全目標については漏えい発生頻度を10/年以下に設定して、安全対策の妥当性を調べた。その結果、可燃性ガス配管の二重管化,計装配管の小口径化,漏えい検知器,漏えい遮断設備等が、火災・爆発の規模を小さくし、原子力プラントを災害から防護するうえで有効であることを確認した。
大橋 弘史; 稲葉 良知; 西原 哲夫; 稲垣 嘉之; 武田 哲明; 林 光二; 片西 昌司; 高田 昌二; 小川 益郎; 塩沢 周策
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(3), p.385 - 392, 2004/03
被引用回数:17 パーセンタイル:72.33(Nuclear Science & Technology)原研では、高温核熱利用の有用性の実証を目的として、HTTRと水素製造システム(メタンの水蒸気改質:CH+HO=CO+3H)との接続技術の開発を進めている。HTTR水素製造システムの製作の前に、システムの特性把握,原子炉に対応した運転・制御技術の確立,HTTR水素製造システムの安全審査・設工認に必要なデータの取得を目的として実規模単一反応管試験を計画し、HTTR水素製造システムの1/30スケールの規模を有する試験装置を完成させた。さらに、今後の試験を行ううえで必要な水素製造能力,制御性等を確認するために、試験装置完成時にHTTR水素製造システムと同条件下で水素製造試験等の機能試験を実施した。この結果、本装置の水素製造能力は設計値110Nm/hを満足する120Nm/hであった。また、起動時におけるヘリウムガスの熱外乱を蒸気発生器で緩和することにより、原子炉戻りヘリウムガス温度に相当する蒸気発生器出口へリウムガス温度を設計値である10C以内に制御できた。本報では、機能試験の結果について述べる。
西原 哲夫; 清水 明; 稲垣 嘉之; 谷平 正典*
日本原子力学会和文論文誌, 2(4), p.517 - 524, 2003/12
地球温暖化対策として燃料電池の導入が期待されており、今後、大量かつ安定に水素を供給するシステムが必要となる。原研では試験研究用の高温ガス炉HTTRを用いた水素製造システムの検討を進めている。本報告では、まず、HTTR水素製造システムの技術課題について検討を行った。そして、HTTR水素製造システムの主系統構成、並びに、本システム特有の機器である水蒸気改質器及び高温隔離弁の構造を示した。そして、定格運転時のヒート・マスバランスを設定し、起動運転時のプラント動特性解析をもとに運転制御特性について検討した結果を示した。
大橋 弘史; 稲垣 嘉之
JAERI-Tech 2003-046, 47 Pages, 2003/05
炉外技術開発試験の試験項目の1つとして、HTTR水素製造システムと同温度・圧力条件下で水蒸気改質反応特性を明らかにすることを計画している。炉外技術開発試験における反応特性評価をより正確に実施するために、実験室規模の装置を用いて、メタン流量1.1810~3.1910mol/s,反応温度500~900,圧力1.1~4.1MPa,メタンに対する水蒸気のモル比2.5~3.5の条件下で、装置に依存しない触媒固有の性能である活性化エネルギーの評価を行った。この結果、炉外技術開発試験装置で使用する2種類のニッケル触媒の見かけの活性化エネルギーは、51.4及び57.4kJ/molであり、反応速度定数は圧力の-0.15~-0.33乗に比例することを明らかにした。
稲垣 嘉之; 林 光二; 加藤 道雄; 藤崎 勝夫; 会田 秀樹; 武田 哲明; 西原 哲夫; 稲葉 良知; 大橋 弘史; 片西 昌司; et al.
JAERI-Tech 2003-034, 129 Pages, 2003/05
HTTR水素製造システムの中間熱交換器から下流の水素製造設備を模擬した実規模単一反応管試験装置の機能試験の結果について報告する。本試験装置は、HTTR水素製造システムの水蒸気改質器反応管1本を実寸大で模擬した装置で、熱源には原子炉の代わりに電気ヒータを用いて、HTTR水素製造システムと同じ温度・圧力の条件で試験を行うことができる。試験装置は、平成9年より設計,製作を開始し、平成13年9月に据付を完了した。平成13年10月から平成14年2月まで実施した機能試験において、各設備の性能確認を行うとともに、高温ヘリウムガスを熱源として120mN/hの水素製造を達成して、試験装置を完成させた。また、本報告では、機能試験時に発生した不具合事項とその対策についても合わせて述べる。
西原 哲夫; 清水 明; 谷平 正典*; 内田 正治*
JAERI-Tech 2002-101, 46 Pages, 2003/01
地球温暖化の要因となっている二酸化炭素の排出量を削減するため、クリーンな2次エネルギーである水素を積極的に利用することが期待される。産業界では水蒸気改質法により水素を製造することが主流となっているが、化学反応に必要な熱を炭化水素系燃料の燃焼熱で賄っているので、水素製造過程で大量の二酸化炭素を環境に放出している。したがって、水蒸気改質法において熱源に炭化水素系燃料を使用しないシステムを構築できれば、環境への負荷が軽減でき、地球温暖化問題の解決に貢献できる。高温ガス炉は原子炉出口で950Cという高温のヘリウムガスを供給できる原子炉であり、発電のみならず、化学プロセスの熱源として利用することが可能である。原研では、日本初の高温ガス炉であるHTTRを建設し、試験運転を行なっている。そして、このHTTRを用いて、核熱利用技術を確立することを研究課題として掲げ、水蒸気改質法による水素製造プラントをHTTRに接続して水素製造を実証するためのシステム検討を進めている。本報告はHTTR水素製造システムの系統設計及び機器設計の成果を纏めたものである。
塩沢 周策; 小川 益郎; 稲垣 嘉之; 小貫 薫; 武田 哲明; 西原 哲夫; 林 光二; 久保 真治; 稲葉 良知; 大橋 弘史
Proceedings of 17th KAIF/KNS Annual Conference, p.557 - 567, 2002/04
核熱を用いた水素製造に関する開発研究が1997年1月から文部科学省の受託研究として開始された。HTTRに接続する水素製造システムはHTTRにより供給される10MWの核熱を用いて天然ガスの水蒸気改質により約4000m/hの水素が製造可能なように設計が進められている。HTTR水素製造システムは世界で初めて原子炉に接続されるものであり、実証試験を行う前に炉外実証試験を実施することとした。HTTR水素製造システムにおける制御性,安全性及び主要機器の性能を確証するために、約1/30スケールモデル炉外試験装置を建設した。炉外実証試験と平行して、安全審査や解析コード開発に必要な詳細データを取得するために、要素試験として触媒管の腐食試験,伝熱管や触媒管の水素同位体試験及び高温隔離弁の健全性試験を実施している。また,より効果的でさまざまな核熱利用に対して、ISプロセスと呼ばれる熱化学法による水素製造技術の基礎研究を進めている。本論文では原研におけるHTTR水素製造システム開発研究の現状と今後の計画を述べる。
大橋 弘史; 稲垣 嘉之; 小川 益郎; 小貫 薫; 武田 哲明; 西原 哲夫; 林 光二; 稲葉 良知; 塩沢 周策
水素エネルギーシステム, 26(2), p.23 - 28, 2001/12
化石燃料の代替エネルギーとして、クリーンエネルギーである水素に大きな期待が寄せられているが、今後の需要拡大にあわせ、如何にして大量の水素を環境に負荷をかけず、かつ安価に製造するかが重要な課題である。この解決策の一つとして、原子力を利用した水素製造が考えられ、従来の化石燃料を熱源とする水素製造システムと比較して、二酸化炭素の排出量を大幅に削減できる。本論文では、高温ガス炉を利用した水素製造の利点を述べるとともに、特会受託研究として進めているHTTR水素製造システム及びISプロセスの研究開発状況を中心に、原研における高温ガス炉水素製造システムの研究開発計画について報告する。
西原 哲夫; 塩沢 周策; 小川 益郎
IAEA-TECDOC-1236, p.11 - 25, 2001/08
IAEA主催の国際共同研究として、「HTTR熱利用系の設計及び評価」が1994年から1999年の5年間にわたり実施された。その最終報告書がTECDOCとしてまとめられることとなった。原研は、第3章のHTTRの概要、及び第5章の水蒸気改質法を用いた水素製造に関する日本での設計成果について執筆を担当した。
稲葉 良知; 文沢 元雄*; 殿河内 誠*; 竹中 豊*
Applied Energy, 67(4), p.395 - 406, 2000/12
被引用回数:10 パーセンタイル:50.12(Energy & Fuels)本研究では、原子力エネルギーを電気としてだけでなく、熱エネルギー源として直接産業利用するシステムとして、高温ガス炉核熱を用いたアンモニア製造プラントにおける石炭ガス化について検討した。核熱を利用した石炭ガス化プラントでは、講演ガス炉からの2次ヘリウムガスを用いた水蒸気改質法により石炭をガス化することにした。また、石炭ガス化プロセスでの2次ヘリウムガスの熱利用率を上げるために、ガス化炉として2段式の流動床炉を採用した。CO問題に関しては、化石燃料を用いる必要がないことから、その発生量を既存のアンモニア製造プラントと比較して年間約50万トン削減できることを示した。
宮本 喜晟; 塩沢 周策; 小川 益郎; 稲垣 嘉之; 西原 哲夫; 清水 三郎
Proceedings of International Hydrogen Energy Forum 2000, 2, p.271 - 278, 2000/00
高温ガス炉を用いた水素製造システムは、従来の化石燃料システムに比較してCOの排出量を大幅に削減できることから、環境問題へ貢献できる。このことから、原研は我が国初の高温ガス炉HTTR(熱出力30MW)に天然ガスの水蒸気改質システムを接続して、運転・制御技術を開発する計画を進めている。また、HTTR水素製造システムの安全審査のために、1/30スケールの炉外技術開発試験装置の製作を行っている。さらに、COを全く排出しない水の分解(熱化学法)による技術開発を進めている。これら原研で進めている高温ガス炉の水素製造システムの開発計画について報告する。
稲垣 嘉之; 武田 哲明; 西原 哲夫; 羽田 一彦; 林 光二
日本原子力学会誌, 41(3), p.250 - 257, 1999/00
被引用回数:10 パーセンタイル:60.66(Nuclear Science & Technology)HTTRの熱利用系として天然ガスの水蒸気改質による水素製造システムを計画している。本報告書は、原子炉と水素製造システムを接続するに当たり必要な炉外実証試験計画について述べる。炉外実証試験は、(1)水素製造システムの運転制御技術の開発、水蒸気改質器等高温機器の実証を目的とした炉外技術開発試験、(2)ヘリウムガスとプロセスガスの圧力境界であるハステロイXR製触媒管の材料強度に及ぼす腐食及び水素脆化の影響を調べる触媒管健全性試験、(3)原子炉から製造された水素へのトカマク透過量の評価手法を確立する水素透過試験から構成される。炉外技術開発試験装置は、HTTR水素製造システムの中間熱交換器から下流の主要機器を1/30スケールで模擬した試験装置で、2000年に完成予定である。触媒管健全性試験及び水素透過試験は、現在実施中であり、2000年まで行う計画である。
稲垣 嘉之; 西原 哲夫; 武田 哲明; 羽田 一彦; 林 光二
Proceedings of 7th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-7) (CD-ROM), 10 Pages, 1999/00
日本原子力研究所は、高温核熱利用の実証を目的として熱出力30MWの高温ガス炉HTTRの建設を進めており、その熱利用系として天然ガスの水蒸気改質による水素製造システムが計画されている。本論文は、原子炉と水素製造システムを接続するに当たり必要な炉外実証計画について報告するもので、次の3つの試験から構成される。炉外技術開発試験では、HTTR中間熱交換器から下流の水素製造システムを1/30スケールで模擬した試験装置を用いて、水素製造システムの運転制御技術、水蒸気改質器等高温機器の開発・実証を行うもので、試験装置は2000年に完成予定である。触媒管健全性試験では、腐食及び水素脆化のハステロイXRの材料強度に及ぼす影響を調べ、水素透過試験では原子炉から製造された水素へのトリチウム透過量の評価手法を確立する。触媒管健全性試験及び水素透過試験については、2000年まで実施する計画である。
稲垣 嘉之; 羽賀 勝洋; 会田 秀樹; 関田 健司; 小磯 浩司*; 日野 竜太郎
日本原子力学会誌, 40(1), p.59 - 64, 1998/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)本研究の目的は、高温ガス炉水蒸気改質システムにおいて、未反応CHをリサイクルすることによりCH転化率を向上させる手法の開発である。水蒸気改質反応後の生成ガス中からポリミド系ガス分離膜を用いて未反応メタンを分離抽出し、水蒸気改質器へリサイクルする。ポリミド系ガス分離膜についてH,CO,CO,CHガスの分離特性を実験及び数値解析により明らかにし、このガス分離器を用いて未反応CHのリサイクル実験を行った。その結果、CH転化率(CH供給量に対するCHのCOへの転化量)を約20~32%向上させることができた。
稲垣 嘉之; 羽田 一彦; 西原 哲夫; 武田 哲明; 日野 竜太郎; 羽賀 勝洋
JAERI-Tech 97-050, 125 Pages, 1997/10
HTTRによる高温核熱利用の有効性の実証を目的として、天然ガスの水蒸気改質による水素製造システムの建設を計画している。本報告書は、炉外技術開発試験装置の運転制御系の構成と解析による試験装置の過渡特性について述べたものである。HTTR接続の水素製造システムでは、システムの起動・停止等の過渡時において、HTTRに外乱を与えない制御系及び運転シーケンスを構築することが重要であった。このことを考慮して、炉外技術開発試験装置では、運転モードを定格時運転モードと異常時運転モードに分類し、各々について運転シーケンスを設定した。定格時運転シーケンスは、HTTRと水素製造システムの起動から定格運転状態、停止に至るまでのものである。異常時運転シーケンスは、システム異常のために原料ガスの供給が停止する事故条件を模擬したもので、ヘリウムガスは蒸気発生器で受動的に冷却される場合である。この手順を動特性解析上で再現し、システムの過渡特性を調べた。その結果、設定した運転制御系は適切であることを確認した。
小磯 浩司*; 稲垣 嘉之; 会田 秀樹; 関田 健司; 羽賀 勝洋; 日野 竜太郎
JAERI-Research 97-076, 33 Pages, 1997/10
天然ガス(主成分:CH)の水蒸気改質法を用いたHTTR水素製造システムでは、高圧・低温(4.5MPa、800C)の反応条件のため、CHの転化率は約65%の低い値に止まっている。そのCH転化率を向上させる手法の一つとして考えられたのが、改質後の生成ガス中からガス分離器を用いて、CHを分離し、改質器へ戻すことにより、実質的にCH転化率を向上させるものである。ポリイミド分離膜について、CH,H,CO,COの混合ガス中からのCH分離特性を明らかにするために、実験及び数値解析を行った。混合ガスを用いて測定した各成分ガスの透過率は、単体ガスを用いた測定値(カタログ値)に対して約1/3~1/14に減少した。CHの分離については、混合ガス中から約80%の割合でCHを回収することができ、H及びCOについては98%以上を除去することができた。これらの結果からポリイミド分離膜は、リサイクルシステムに有用であることが確認した。また、差分法による解析は透過率、モル分率分布等の実験結果をよく再現しており、分離挙動についての解析手法を確立することができた。
稲垣 嘉之; 日野 竜太郎; 羽田 一彦*; 羽賀 勝洋; 西原 哲夫; 武田 哲明; 塩沢 周策
Proc. of 5th Int. Conf. on Nucl. Eng. (ICONE-5)(CD-ROM), 5 Pages, 1997/00
本論文は、HTTRへの接続を計画している水素製造システムの炉外実証試験の計画について報告するものである。炉外実証試験は、HTTRの中間熱交換器から下流の水素製造システムの約1/30スケールモデルであり、ヘリウムガスから供給される高温の熱を用いて天然ガスの水蒸気改質により水素を製造する。炉外実証試験ではHTTR水素製造システムの設計に基づき、水蒸気改質器、高温隔離弁等の高温機器の開発、性能試験を行うとともに、水素製造システムの過渡応答特性、蒸気発生器を用いた受動的冷却システムの特性等について明らかにする。また、触媒管における水素透過、改質ガス雰囲気中における触媒管材料(ハステロイXR)の腐食・健全性評価、異常時における蒸気発生器の熱流動挙動を明らかにするための要素試験を併せて実施する計画である。
羽田 一彦
JAERI-Research 96-054, 28 Pages, 1996/10
高温核熱利用方式は、熱源の温度が約950Cと低いこと、熱輸送媒体が約4MPaに加圧されたヘリウムガスであることに起因し、化学反応条件が不利なため、非核熱方式、とりわけ化石燃料燃焼方式に比べ、エネルギ生産プロセスとして性能が劣っていた。そこで、水蒸気改質プロセスについて、非核熱方式に競合しうる性能を達成するための工夫を考案した。この結果、10MWの熱源により約3800Nm/hの水素収率を達成でき、化石燃料燃焼方式に競合できる見通しを得るとともに、反応管長さを約9mとコンパクトにすることができ、継ぎ目無し管としての製作が可能になった。